司講での修行体験について
皆様こんにちは!いつも本ブログをご覧いただきありがとうございます。
さて、今回は、ご縁をいただきまして金剛山転法輪寺の「司講(つかさこう)」の葛城修行に同行させていただくことができましたので、その体験レポートをお送りしようと思います。
※講とは・・・各々住んでいる地域の住民達が集まり、大峰山登拝やお伊勢さん参りなど、お参りを目的としながらも、皆で一緒に親睦を兼ねて巡礼する集団の事(転法輪寺HPより)
※司講とは・・・転法輪寺の葛城ご住職が講元を務める講です。詳細はこちらをご覧ください。
3月のよく晴れた土曜日、今回の葛城修行では、岸和田市の大威徳寺(10番経塚)から地蔵さん登山道を通り、和泉葛城山山頂(第9番経塚)へ。そしてその後、鍋谷峠、七越峠を越え、和泉市の父鬼(ちちおに)まで下っていくルートで巡拝修行を行いました。
集合場所の南海岸和田駅。司講の皆様が勢ぞろいです。ここからバスに乗り、大威徳寺に向かいます
バスに揺られること1時間弱、修行のスタート地、大威徳寺に到着です。
到着後、葛城ご住職(右)より本日の行程や注意事項等についてご案内が。いよいよ修業がスタートです。
大威徳寺へ
まずは最初の行場である10番経塚の前で勤行です。法螺の音が境内に響き渡ります
こちらの岩が経塚。言われなければ知らずに通り過ぎてしまいそうです。
そしてさらに奥に進むと、裏手に大威徳寺の本堂があります。荘厳な雰囲気に圧倒されます。
大威徳寺本堂前での勤行
勤行が終わるといよいよ山行へ。大威徳寺の裏手から、地蔵さん登山道を経由して和泉葛城山山頂を目指します。
この辺りは滝が綺麗なことでも有名です!
地蔵さん登山道はその名の通り1丁(109m)ごとにお地蔵さんが祀られおり、信仰の道であることを感じさせてくれる非常に素晴らしい登山道です
信仰の道であることをかみしめながら、静かに己と向き合い一歩一歩、歩を進めます。そして程よく疲れを感じ始めた頃、地蔵さん登山道の終点、二十一丁地蔵に到着です。
二十一丁地蔵。勤行を行います。
その後、林道を30分ほど登ると、和泉葛城山の山頂、9番経塚に到着です。
9番経塚。鎌倉時代初期頃に編集された『諸山縁起』には「龍宿」と記されている行場です。
山頂にある、高龗(たかおかみ)神社、9番経塚で勤行を行った後はお待ちかねの昼食タイム(昼食は各自持参)。昼食時には、お菓子などを余分に持ってきて参加者の皆様に配ってくれた方も。おすそ分け・助け合いの精神が身に沁みます。
昼食後は再び山へ。鍋谷峠、七越峠を越えていきます。
山の中ではご住職を先頭に一列になって歩きます。
七越峠を越えるとそこからは、和泉市の父鬼まで2時間程度かけて山道をひたすら下っていきます。
そこで事件が!
「ひ、膝が痛い・・・」。
想像よりも早いペースでの歩行で疲れが溜まっていたのと、それに加えて急激な下りによる膝への負担により下り始めてすぐに私の膝が悲鳴をあげ始めました。
しかし、修行に参加させてもらっている身のため、他の皆様に迷惑をかけるわけにもいかず、痛みを隠しながら気付かれないように歩行を続けていたのですが、先頭を歩いていたもう一人の先達、国分寺の久米住職より「膝痛めてませんか?よかったらこの杖を使ってください」とお声がけいただきました。
「なぜ隠してたのに気付かれたんだろう・・・」という思いとともに、先達の方の目配りのすごさに驚かされ、そして何より窮地を助けていただけたことに修験での助け合いの精神というものを垣間見た気がしました。
その後は、杖のおかげもあり無事下山することができ、ゴールの父鬼バス停に到着することができました。
バス停には、八坂神社・観音寺があります。
無事修業を終えることができたことに感謝し、最後の勤行です。
今回、山伏の修行ということで、行く前は雰囲気等とても厳しいものを想像していましたが、意外にもとても穏やかな雰囲気で皆様和気あいあいと楽しんで修行に参加されているのが印象的でした。
普段はそれぞれ違う人生を歩んでいる方々が「講」というつながりの中で山行体験を通して同じ時間を過ごす。こういったつながりが段々薄れてきて、地域によっては隣に住んでいる人の顔も分からないような生活の中、このような体験ができることは現代を生きる人々にとってとても意味のある機会だと気づかされる修行体験となりました。
葛城ご住職をはじめ、司講の皆様、修行体験に参加させていただきまして誠にありがとうございました。
もし司講にご関心のある方はこちらよりお問合せください。