八ツ目草鞋(やつめわらじ)について
皆様こんにちは!いつも本ブログをご覧いただきありがとうございます。
さて、今回は、山伏十六道具の一つと言われている「八ツ目草鞋」に関して、その作成現場に立ち会わせていただくことができたので、その様子をレポートいたします。
熱暑厳しい7月16日に訪問したのは和歌山県紀の川市中津川。葛城修験の「中台(ちゅうだい)」と呼ばれ、最も重要な行場の一つと言われている中津川行者堂がある、あの中津川です。
秋の紅葉も美しい中津川行者堂
この日は、中津川集落の皆様が集まり、2年に一度行われる粉河祭りの渡御式で使用する八ツ目草鞋を作成する日でした(※)。
※粉河寺鎮守粉河産土(うぶすな)神社の祭礼で紀州三大祭りの一つでもある粉河祭には役行者に使役した前鬼の子孫である中津川の禰宜(ねぎ)16人が参加。禰宜が八ツ目草鞋をはいて産土神社の拝殿にあがり祝詞をあげることで祭りは始まる。
そもそも八ツ目草鞋とは、上述のとおり山伏十六道具の一つとも言われ、厳しい修行に耐えられるよう通常の草鞋より頑丈に作られた代物で、その分作り方もとても複雑です。修験廃止令(明治5年)が出る前ぐらいまでは、ここ中津川でも軒先に八ツ目草鞋を吊るし、修験で訪れた方々に「ご自由にどうぞ」という形で奉仕していた歴史もあるとのこと。
コロナの影響もあり、渡御式で使用する八ツ目草鞋を作成するのは実に約5年ぶりとのことで、作り方を忘れてしまっている人もおり、長老の方々を中心に手取り足取り教えてもらいながら作業を進めていました。
まずは、稲わらを叩いて柔らかくすることから。材料は地元で作っているもち米の稲わらを使っているとのこと。
十分柔らかくなれば、次は稲わらをねじり編み込んでいきます
そしてそれらをつなぎ合わせていきます
作成過程が複雑なため、完成品を確認しながら作成を進めていました
複雑な工程を皆様器用にこなしていました
作成は数時間では収まらないレベルの大変な作業でしたが、印象的だったのは皆さま和気あいあいととても楽しそうに作成されていたこと。地域の方々が集まり、一つの目的のもとに一緒に作業する様子は古き良き習慣で、現代ではなかなか見れない光景にとても心が温まりました。
中津川の皆様も参加される今年度の粉河祭りの詳細はこちら!
今後とも引き続き葛城修験をよろしくお願いいたします!