リレーブログ ~私の街の葛城修験のご紹介(竜王社(龍王社))~
皆さんこんにちは!いつも本ブログをご覧いただきありがとうございます。
さて、本日は 「リレーブログ ~私の街の葛城修験のご紹介~」の第11回目!
大阪府柏原市にある、「竜王社(龍王社)」 についてご紹介します!
葛城修験第二十八番目経塚は、多くの古記に「亀の尾宿」であると記されています。「亀の尾宿」は大阪府柏原市の峠地区「亀の瀬」と呼ばれる場所に位置し、大和川の河中にある、亀の姿をした巨石「亀岩」がそれであると言われています。あるいは奈良県王寺町の明神山という説もありますが、どちらが経塚であるかは定かではありません。
大和川の河中にある亀岩
現在当地を訪れる修験者は、便宜上、現存する寺社である亀の瀬の竜王社(龍王社)と明神山の水神社に参拝した証である碑伝(ひで)を奉納し、等しく第二十八番経塚として祈りを捧げます。
さて、竜王社はかつて大和川の水運で栄えた剣先船の関係者が運航の安全を祈願し献灯された石灯籠や石でできた鳥居が残るなど、現地に行けば往時のにぎわいをしのぶことができますが、川のほとりの目立たない場所にあり、普段は訪れる人も少なくひっそりとしています。
令和5年4月、社を管理する地主さんや地域の修験者らの手により、社への参道にあたる場所に大きな朱塗りの鳥居が建立されました。建立された鳥居は対岸の国道25号からもよく目立ち、一目で社が祀られていることがわかるようになりました。
この鳥居は、葛城二十八宿巡礼の修行において、和歌山県の友ヶ島からスタートする「順峯(じゅんぶ)」であれば、当地は最終場所となり、仏と等しい悟りを得るという意味の「等覚門(とうがくもん)」。当地を始めとする「逆峯(ぎゃくぶ)」であれば、これから修行を始める心を持つという意味の「発心門(ほっしんもん)」となります。しかしながら、修験道の修行を行うに際して、どこから始めてもその心がけは尊いものであり、仏は順逆をつけない。という意味でこの門は全てのはじまりという意味をもつ「阿字門(あじもん)」と名付ける。と鳥居の由緒書きに記されています。
令和5年4月現在、この鳥居は建立されたばかりでその名前を示す「扁額(へんがく)」もまだ設置されていません。真新しく朱塗りも目に鮮やかなこの鳥居は葛城修験の修験者を見守るシンボルとして末永くこの地に鎮座することでしょう。
【アクセスについて】
住所:大阪府柏原市峠
ご来訪の際は、「亀の瀬地すべり歴史資料室」を目的にされるとわかりやすいです。
公共交通機関をご利用の際は、JR関西本線(大和路線)河内堅上駅から徒歩15分ほどです。
【おすすめ周辺観光情報】
①亀の瀬地すべり歴史資料室(2024年3月29日 リニューアルオープン)
亀の瀬が舞台となる、もうひとつの日本遺産ストーリー「もう、すべらせない!!~龍田古道の心臓部「亀の瀬」を越えてゆけ~の中心的なテーマである地すべりに関する資料を展示する資料室です。開館時間や見学の方法は下記をご参照ください。
外部リンク
https://www.kkr.mlit.go.jp/yamato/guide/landslide/visit/visit.html
②プロジェクションマッピング 日本遺産『龍田古道・亀の瀬』光の旅路
JR大和路線の前身である旧大阪鉄道により造られた明治時代の鉄道トンネルを舞台に投影されるプロジェクションマッピングです。このトンネルは地すべりの影響で崩壊したと思われていましたが、地すべり対策工事を進める中、約80年の歳月を経て偶然発見されました。当時走っていた蒸気機関車の排煙の煤が天井に残り、地すべりの崩落面も当時のまま残るレンガ造の壁面全体を使用して繰り広げられる映像は圧巻。無料で観覧できますが、観覧には予約が必要です。
外部リンク
https://kamenose.jp/news/1467.html
以上今回は、竜王社及びその周辺の観光スポットを紹介しました!
次回もお楽しみに!