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リレーブログ ~私の街の葛城修験のご紹介(明神山 普賢菩薩勧発品)~

2024年1月19日 投稿者: 王寺町

皆様明けましておめでとうございます。

新年第1回目の投稿は「リレーブログ ~私の街の葛城修験のご紹介~」の第17回目!

奈良県王寺町にある「明神山 普賢菩薩勧発品(みょうじんやま ふげんぼさつかんぼつほん)」についてご紹介します!

 

【明神山 普賢菩薩勧発品について】

 葛城修験の経塚のうち、最終の28番目となる普賢菩薩勧発品の場所は、2つの候補地があります。1つが亀の尾宿といい、奈良県・大阪府の境を流れる大和川のところで、今その付近は亀の瀬と呼ばれています。その亀の瀬には、大和川の川中に亀岩という亀に似た大きな岩があり、それが第28番経塚だとされています。そして、もう1つの候補地が、今回ご紹介する王寺町の明神山(みょうじんやま)です。

 明神山は、葛城修験のルートになっている金剛山地の北端に位置し、北裾に大和川が流れ、さらに北は生駒山地へと続いていきます。標高は273.6mしかない低い山ですが、360度の視界が広がる眺望スポットで、山頂は「明神山自然の森」公園として展望デッキや東屋、広場、遊歩道、公衆トイレなどが整備されています。

その公園に、コンクリートの建物で水神社(みずじんじゃ)が鎮座しており、明神山の中でも、とくにここが第28番経塚であるとされています。コンクリートの建物は覆屋(おおいや)になっていて、中に木造の小さな祠がお祀りされています。コンクリート建物の扉から中をのぞくと、修験者さんが訪れた証である碑伝(ひで)が奉納されているのが見えます。

明神山に鎮座する水神社.jpg

明神山に鎮座する水神社。コンクリート造の覆屋の中に祠があり、その前に葛城修験の碑伝が奉納されているのが見えています。

 

 第28番経塚が明神山だという説は、天和4年(1684)の『資道什物記(しどうじゅうもつき)』に、役行者が法華経28品の序品(じょほん)を「伽陀ノ窟(かだのいわや)」に納め、巻尾を「卒都婆峯(そとばみね)」に埋めたと記されていることを主な根拠にしており、この卒塔婆峯が明神山のことであると解釈されています。今となっては、第28番経塚が明神山なのかどうか、結論を出すことは難しい状況にありますが、葛城修験が和歌山の友ヶ島から和泉山脈、金剛山地を縦走して、明神山を経由するルートであったことは間違いないでしょう。

 明神山の山頂からは、南に二上山、葛城山、金剛山、岩湧山と葛城修験に関係する山々を眺望することができ、反対の北には大和川の亀の瀬を眼下にすることができます。つまり、明神山からの眺望によって、葛城修験のルートがどのようなところを通り、どれほどの距離があるのかが一目で理解でき、修験道の厳しさを肌で感じることができます。亀の瀬から北に眺望できる生駒山地も元山上や鬼取山など役行者の伝承が数多く残る山々です。

明神山から見た葛城修験の山々.JPG

明神山から見た葛城修験の山々。手前から二上山、葛城山、金剛山が重なり合って見え、その右手に和泉山脈が続きます。

 

 明神山は、修験のルートになっていますが、山頂までの道のりはまったく険しくありません。麓の駐車場や最寄りの「明神四丁目」バス停からコンクリート舗装された道を40分ほど歩くだけでOKです。距離にして約1.8km。ハイキング気分で、木漏れ日が差す風景やお友だちとのおしゃべりを楽しんでいるうちに到着します。山頂には、お弁当を食べながら休憩できる机やベンチがあって、きれいな公衆トイレも完備されているので安心です。

山頂からは、葛城と並ぶ修験の聖地である吉野大峯の山々も見ることができ、天気が良ければ、比叡山や比良山地、淡路島や明石海峡大橋まで見られます。歴史・登山・健康づくりなど、様々な楽しみ方ができます。ぜひ訪れてみてください。

明神山参道.JPG

明神山へ登る道は、山頂に水神社があることから「明神山参道」と呼ばれています。すべてコンクリート舗装されていて、歩きやすい道です。

山頂の展望デッキ.JPG

山頂には3つの展望デッキがあり、眺望を説明したパネルや無料の望遠鏡が設置されています。

 

【アクセスについて】

住所:奈良県北葛城郡王寺町畠田2640

明神山の山頂へは徒歩でしかあがれません。明神山参道の鳥居近くの信号交差点から150mほど坂を下ったところに駐車場があります。公共交通機関を利用される場合は、JR・近鉄王寺駅から奈良交通バスで「明神四丁目」まで行くのが便利です。駐車場・バス停から山頂までおよそ1.8km、時間にして約40分です。途中、急な坂道のところもありますが、ほとんどは緩やかな登りです。木々の緑を楽しんでください。

ベビーカーで明神山に登られた方のレポートもあります。参考にしてください。

https://nara-tabikura.jp/5994/

駐車場は9時~19時、35台、無料。

明神山への詳しいアクセスは、王寺町観光協会ホームページをご覧ください。

https://home.oji-kanko.kokosil.net/ja/myojinyama

 

明神山参道の目印となる鳥居.JPG

明神山参道の目印となるのがこの大きな鳥居。美しヶ丘と呼ばれる住宅街にあります。

明神山駐車場.JPG

明神山に登る人が無料で利用できる駐車場。

 

【おすすめ観光情報】

①達磨寺(奈良県北葛城郡王寺町本町2丁目1-40

達磨寺本堂.JPG

達磨寺本堂。2004年に新しく落慶した建物で、本堂内には資料館のように展示ケースが備えられていて、見ごたえ十分です。

 

片岡山と号する臨済宗南禅寺派の寺院で、聖徳太子が飢人を助け、その飢人が実は達磨大師の化身であったという伝説を由緒にしています。本尊の木造聖徳太子坐像・木造達磨坐像が国の重要文化財に指定されているのをはじめ、数多くの文化財が所蔵されています。王寺町の公式マスコットキャラクターの雪丸は、達磨寺に祀られる石造雪丸像がモデルです。少し距離は長くなりますが、王寺駅から達磨寺を経由して明神山まで歩くのもおすすめです。

石造雪丸像.jpg

石造雪丸像。聖徳太子が飼っていた犬で、お経が読めたとも言われています。王寺町の公式マスコットキャラクターの雪丸は、この石造物から誕生しました。

 

毎日10時~15時まで無料で拝観できます。駐車場も無料。土日祝は王寺観光ボランティアガイドの会による無料ガイドもあります。

達磨寺公式HP https://www.darumaji.jp/

 

②雪丸カフェ ポエム(奈良県北葛城郡王寺町久度2丁目2-2-1りーべる王寺東館5階王寺町地域交流センター内)

雪丸カフェポエム2.JPG


王寺町の公式マスコットキャラクターの雪丸をモチーフにしたカフェで、雪丸のケーキやコーヒー、軽食が楽しめます。複合商業施設である「りーべる王寺東館」の5階にあるので眺めも抜群。雪丸のキャラクターグッズも販売しています。王寺駅と直結したビルで、隣に王寺町観光協会もあるので、達磨寺や明神山の観光と一緒にお楽しみください。

雪丸カフェポエム1.JPG

雪丸カフェポエム3.JPG

窓際のカウンター席からは、信貴山や生駒山が望めます。雪丸をかたどった「ゆきま~る」もかわいい。

 

営業時間:11:0016:00LO15:30) 水曜定休

③西和エリアの奈良交通バス乗り放題「WEST NARA わんデイパス」

奈良交通の路線バスが西和エリア限定で1日乗り放題となるフリーパスです。これがあれば、王寺駅から達磨寺、明神山のコースも楽々。王寺町から足を延ばして法隆寺や信貴山、郡山城跡、矢田寺、飽波神社などへも行けます。

発売額:大人500円 小児250

有効期間:1日間有効(但し、1231日~13日はご利用できません)

発売期間:令和6331日まで

 

発売場所・利用可能エリア・ご利用上の注意など詳しくは、奈良交通ホームページをご覧ください。

https://www.narakotsu.co.jp/news/news_1303.html

 


以上今回は、明神山 普賢菩薩勧発品及びその周辺の観光スポットを紹介しました!
次回もお楽しみに!