リレーブログ ~私の街の葛城修験のご紹介(金熊寺、信達神社)~
皆様こんにちは!
本日は、シリーズでお送りしている「リレーブログ ~私の街の葛城修験のご紹介~」の今年度第2回目。今回は、大阪府泉南市にある、「金熊寺(きんゆうじ)」及び「信達神社(しんだちじんじゃ)」 についてご紹介します。
金熊寺及び信達神社は、今年度新たに日本遺産葛城修験の構成文化財として追加認定された資産となります!
【金熊寺について】
金熊寺は、別名「一乗山観音院」と云い、真言宗御室派の寺院です
和歌山県岩出市まで車で約7分、泉南市の山間部、信達金熊寺(しんだちきんゆうじ)にあります。「金熊寺」という地名から、梅の名所として知られる「金熊寺梅林」を思い出す方も多いのではないでしょうか。その「金熊寺梅林」のすぐそば、金熊寺の集落の一番奥に堂々とした佇まいをみせています。
〇歴史
寺伝によると、白鳳十年(681年)、役行者が開創。役行者の経行の霊場であったとか。本尊である如意輪観音像は、役行者が、お告げにより金銅の尊像を掘り出し、自ら木像を造り安置、金峯・熊野両神を勧請し、その鎮守としたことから「金熊寺」と号するようになったと伝わっています。
正安元(1299)年、大きな火災に見舞われましたが、応長二(1312)年に、本堂、薬師堂、中門、鐘楼、金剛鏡、両界曼荼羅などが補修され、のちに、足利尊氏がもとの姿に近いように修復、室町時代には、日根郡において真言系では最大の寺院であったと考えられています。
しかしその後、天正年間に、豊臣秀吉の根来征伐の兵火で再び焼失。慶長十二(1607)年、豊臣秀頼の家臣・大桑平右衛がこの地で狩りの折失った白鷹を、金熊寺で祈願したところ和歌山で捕えることができたので、その御礼に本堂を修復したと伝わります。その後、承応二(1653)年、近隣の信達十三ヵ村の人々の善意により再興したのが現在の伽藍とのことです。
〇行者堂
現在でも1,500坪を超える境内ですが、本堂正面に向かって右側、なだらかな石段を上がった背の高い木立の奥には「役行者堂」があり、静謐な空気が漂います。日本遺産に認定されて以来おまいりされる方が増えているそうです。
金熊寺では、毎月22日は、本尊如意輪観音の御縁日。ご尊影がデザインされたこの日限定の御朱印が授与されます。本堂正面に向かって左側にある寺務所までお越しください。
〇金熊寺住所
〒590-0514 大阪府泉南市信達金熊寺813
アクセスについては、下記ウェブサイトをご覧ください。
泉南市観光ガイド「恋するせんなん」
金熊寺:https://welcome-sennan.com/tourist-spots/kinyuji
【信達神社について】
金熊寺とともに構成文化財として追加認定されました。金熊寺に隣接しており、古くは金熊寺大権現宮と称し、金熊寺の鎮守社でした。明治政府の神仏分離政策により、金熊寺から分離独立し、信達神社と称するようになりました。
社伝によると、その昔、樽井の海岸に神武天皇の像が漂着し、里人が引き上げて、樽井の地に祀りましたが、のちに金熊寺に遷宮、その後、さきほどもご紹介したように、白鳳十年、役小角が金峯・熊野の両神を勧請し本殿に合祀したと伝わっています。
ご祭神は、神倭磐毘子古命、金山彦命、伊邪那美命の三柱です。
〇本殿と割拝殿
濃い緑の参道を進むと、江戸時代中期の建築と考えられる割拝殿が、続いて江戸時代前期の建築では大阪府最古級のものと考えられる五間社流造の極彩色の本殿があらわれます。
天正年間に信長・秀吉の兵火で焼失したのち、江戸時代初期、正保四(1647)年にこの地の豪族矢野氏が奔走し、この壮麗な本殿を建てたと伝わります。
本殿の正面、本坪鈴の近くには、近年、葛城二十八宿を巡られたのであろう修験者の方の碑伝(ひで)もおかれています。
〇大阪府天然記念物
建造物のほかにも、信達神社でぜひご覧になっていただきたいのは、豊かな緑の中に立つ2本の大きな古樹です。
極彩色の本殿に向かって右前方には、ご神木の「ナギ」があります。このナギは府下最大のものと考えられ、大阪府天然記念物に指定されています。樹高約19.5m、幹周約2.5mにも達する巨木です。神域内ですので、立ち入りはできませんが、ぜひこのご神木の圧倒的なパワーを感じてください。
また、割拝殿の右手奥にある「オガタマノキ」も、大阪府の天然記念物に指定されています。樹高約18m、幹周り約3mに達し、繁栄・幸福を招く木として、古くから神事にも用いられてきました。
〇神武東遷ゆかりの神池
もうひとつは、鳥居から参道を進んでいくと左手にある神池です。信達神社は神武東遷ゆかりの場所でもあります。
泉南市は、長髄彦(ながすねひこ)と孔舎(くさ)衛坂(えのさか)(今の東大阪市付近)で戦ったのち、カムヤマトイワレビコ(後の神武天皇)一行がたどり着いた場所。傷を負った皇兄・五瀬命が、ここ信達神社の神池で傷を洗ったと伝わっています。
信達神社でも御朱印が授与されます。道路を挟んで鳥居の反対側(南側)にある信達神社社務所にお越しください。
〇信達神社住所
〒590-0514 泉南市信達金熊寺795
アクセスについては、下記リンクをご覧ください。
泉南市観光ガイド「恋するせんなん」
信達神社: https://welcome-sennan.com/tourist-spots/shindachi-jinja
【おすすめの観光情報】
①金熊寺梅林
金熊寺と信達神社に隣接する小丘の、主に南側の斜面からふもとに広がる梅林です。
歴史は古く、江戸時代初期、時の信達神社神主・矢野氏に、「この地に梅樹を植えると神領益々隆盛となる」のお告げがあり、矢野氏一族及び土地の人々の手によって栽培されたと伝わります。戦前は、現在よりも広く、近隣一帯に梅林が広がっており一大観光地として賑わいました。
現在でも、約2,000本の梅の木が、2月下旬から3月中旬には見頃を迎え、なだらかな斜面が白い小さな花で覆われます。「金熊寺梅」と呼ばれる白梅がほとんどなのです。この実は、肉厚で種が小さく良質で、無農薬で育てられ、無添加の昔ながらの製法で作られる梅干しは昔から人気です。
金熊寺梅林は、穏やかな里山の春を満喫するにはうってつけの場所。丘の南側斜面には、ふもとにある金熊寺梅林組合駐車場のすぐそばから丘の上まで遊歩道が整備され、のんびり歩いて梅の花と香りを楽しむことができます。
早春、金熊寺と信達神社におまいりの際は、ぜひお立ち寄りください。
〇金熊寺梅林組合駐車場
住所:〒590-0514 大阪府泉南市金熊寺611−1
アクセスなど詳細は、下記ウェブサイトをご覧ください。
泉南市観光ガイド「恋するせんなん」
金熊寺梅林:https://welcome-sennan.com/flower-spots/kinyuji
② 泉南市農業公園 花咲きファーム内「デビッド・オースチン・イングリッシュローズガーデン」
金熊寺・信達神社から車で約6分、広い丘陵地にある泉南市農業公園「花咲きファーム」内に、「デビッド・オースチン・イングリッシュローズガーデン」があります。イングリッシュローズの生みの親、先代のデビッド・オースチン氏が創業し、世界的な名声、人気を得ている英国のバラ育種会社「デビッド・オースチン・ロージズ社」が、本国英国以外で唯一直接運営するローズガーデンです。
同社のバラ3,000株以上約200種が咲きそろう春にはローズフェスティバルが、色と香りの鮮やかな秋の見頃にもローズイベントが、どちらも約1か月開催されます。なだらかな丘陵地にある7,500㎡に及ぶ広い敷地が、幾重にも重なる様々なバラの色と香りで埋め尽くされる様は圧巻です。
ガーデンに併設しているプランツセンターやギフトショップで、デビッド・オースチン・ロージズのバラ苗や英国直輸入のローズグッズなども購入することができます。
プランツセンター・ギフトショップは季節によって営業日・時間等に変動があります。
営業日・時間、アクセスなど、詳しくは、下記デビッド・オースチン・ロージズ社のウェブサイトをご覧ください。
〇住所
〒590-0524 泉南市幡代2001番地 花咲きファーム内
URL::https://www.davidaustinroses.co.jp/
③SENNAN LONG PARK (センナンロングパーク)
金熊寺・信達神社から北東へ車で約15分、関西国際空港の対岸、泉南市のふたつのビーチに隣接する南北約2kmのエリアに、「SENNAN LONG PARK (泉南りんくう公園)」が、2020年オープンしました。
ビーチのひとつ、「泉南マーブルビーチ」は、大阪府で初めて「恋人の聖地」に認定された美しい人工のビーチで、白い大理石の小石が敷き詰められています。もう一つの「タルイサザンビーチ」は、海水浴場やマリンスポーツの大会のみならず、音楽イベントなどの会場としても賑わっている砂浜のビーチで、このふたつのビーチは、併せて「日本の夕陽百選」にも選定されており、夕景の美しさは格別です。
そんな美しい自然を存分に生かしたSENNAN LONG PARKは、アクティビティエリア、コミュニティエリア、マルシェエリア、グランピングエリアからなり、地元の恵みを生かした食、スポーツ、レジャーをまるごと体験できる、関西最大級のレクリエーション施設です。
毎週末にはマルシェエリアで「海のマルシェ」が、また、園内では、泉州夢花火や泉州ランタンフェスをはじめ、四季折々に、来園者が楽しめる趣向を凝らしたイベントが頻繁に開催されています。
アクセスなど詳しくは、SENNAN LONG PARKの公式サイトをご覧ください。
URL: https://sennanlongpark.com/
泉南市観光ガイド「恋するせんなん」サイトには、
その他おすすめの歴史スポット、花スポット、自然を満喫できるスポットや、イベント情報なども随時掲載しています。日本遺産とあわせてぜひお立ち寄りください。
泉南市観光ガイド「恋するせんなん」
URL: https://welcome-sennan.com/
以上今回は、金熊寺、信達神社及びその周辺の観光スポットを紹介しました!次回もお楽しみに!