葛城二十八宿「行満」の地と、「三体の神獣」パワースポットめぐり
亀の瀬は、2つの異なる日本遺産ストーリーが重なる稀有な場所であり、葛城二十八宿経塚巡礼の修行の締めくくりである「行満」の地だ。
地すべりの災害に耐え、奇跡的に80年ぶりに姿を現した「幻のトンネル」や大規模な地すべり対策工事施設を見学し、自然の脅威と世界規模の土木技術を体感する。
また「玄武」「青龍」「白虎」の三体の神獣にちなむ、亀の瀬周辺のパワースポットをめぐることで、地域信仰に触れ、ココロのリセットを。

西名阪法隆寺ICまたは西名阪柏原ICから車で約15分
亀の瀬地すべり歴史資料室
国土交通省近畿地方整備局大和川河川事務所によって整備されたこの資料室では、地すべりの歴史や被害状況、発生のメカニズムなどを模型やパネルの展示により詳しく知ることができる。
また、大人気のガイドツアーに参加(要予約)すれば、地すべり対策工事のために掘られた排水トンネルや、奇跡的に崩壊を免れた明治時代の鉄道トンネルなどをボランティアガイドの説明を聞きながら見学することができる。広い駐車場があり、周辺散策の起点としても。
問合せ先 | 亀の瀬地すべり歴史資料室 |
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所在地 | 柏原市峠 |
アクセス | JR河内堅上駅から徒歩20分 |
営業時間 | 9:30~16:30 |
定休日 | 月曜日(月曜日が休日の場合は火曜日)年末年始 |
料金 | 無料 |
駐車場 | 普通車約30台 大型バス4台 |
プロジェクションマッピング 日本遺産「龍田古道・亀の瀬」光の旅路
プロジェクションマッピングの会場となる旧大阪鉄道亀瀬隧道(亀の瀬トンネル)は明治25(1892)年に開通したが、昭和6~7(1931~1932)年に起きた大規模な地すべりによって地中に埋もれてしまった。ところが、地すべりの対策工事を行う中で約80年の年月を経て偶然に発見される。約40mの空間に48台ものプロジェクターを設置し繰り広げられる光と音の演出は圧倒的な迫力。
観覧は予約制のガイドツアーへの参加が必要。
問合せ先 | 亀の瀬地すべり歴史資料室 |
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所在地 | 柏原市峠 |
アクセス | JR河内堅上駅から徒歩15分(自由見学は不可) |
営業時間 | 亀の瀬地すべり歴史資料室に準ずる |
定休日 | 亀の瀬地すべり歴史資料室に準ずる |
料金 | 無料 |
駐車場 | 亀の瀬地すべり歴史資料室に準ずる |
龍王社(竜王社)
江戸時代に大和川を往来した剣先船の船着場に祀られた神社。境内には剣先船の関係者が奉納した石灯籠が残る。現在、葛城二十八宿経塚巡礼を修行する修験者は「亀の尾宿」を行じた証としてこの龍王社に碑伝(ひで)を納める。
度重なる地すべりから被災を免れた古の祠はまさにパワースポット。受験生は「すべらない」ための願掛けをしてみては?
問合せ先 | 柏原市にぎわい観光課 |
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所在地 | 柏原市峠先 |
アクセス | JR河内堅上駅から徒歩15分 |
営業時間 | 参拝自由 |
定休日 | 参拝自由 |
料金 | ー |
駐車場 | なし |
亀岩(亀石)
三体の神獣パワースポットめぐりの最初である「玄武」の見立ては大和川の水中に鎮座する「亀岩」。文字どおり亀の姿に見える巨石は江戸時代の書物「大和名所図会(1791年)」にも「かめ石」として描かれ、地名である「亀の瀬」の語源と考えられる。奈良県王寺町の明神山と並び、葛城修験の第二十八経塚とされ、経塚巡礼の「行満」の地でもある。
亀岩は大和川の河中にあり、増水すると姿が見えなくなるため、亀の形を見ることができれば幸運と言えよう。
問合せ先 | 柏原市にぎわい観光課 |
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所在地 | 柏原市峠先 |
アクセス | JR河内堅上駅から徒歩15分 |
営業時間 | 自由見学 |
定休日 | 自由見学 |
料金 | ー |
駐車場 | なし |
龍田大社
三体の神獣パワースポットめぐりの「青龍」の見立ては龍田大社だ。青龍は季節は春、陰陽五行では木気を支配する東の守護聖獣である。
龍田大社は「風の神様」として古くから親しまれており、万葉集にも風に対する祈りの対象として度々登場する。風は陰陽五行の木気にあたり、龍田大社のご神紋は「八重の楓」とされている。木偏に風と書く「楓」が採用されていることは実に理にかなっており、広く四方八方に行き渡る風の性質を八重で表すという。
問合せ先 | 龍田大社 |
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所在地 | 奈良県生駒郡三郷町立野南1丁目29番1号 |
アクセス | JR三郷駅から徒歩5分 |
営業時間 | 自由参拝(社務所は9:00~17:00) |
定休日 | 自由参拝 |
料金 | ー |
駐車場 | 約100台 |
開運橋(かいうんばし)
信貴山朝護孫子寺への参道にかかる橋。大阪からの参拝客のために昭和6(1931)年に架けられた。鉄骨を組み合わせたトレッスル橋脚を用いたカンチレバー構造という珍しい形式で、その文化財的価値が認められ平成19(2007)年に国の登録有形文化財に指定された。橋のたもとには軽食やおみやげを売る店が軒を連ね、小腹を満たすことができる。
橋上から水面に向かって30mダイブする「開運バンジー」(有料)のアクティビティもあり、スリリングな景観を楽しめる。
問合せ先 | 三郷町ものづくり振興課 |
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所在地 | 奈良県生駒郡三郷町信貴山西 |
アクセス | 奈良交通バス信貴大橋バス停すぐ |
営業時間 | 自由見学 |
定休日 | 自由見学 |
料金 | ー |
駐車場 | 周辺にあり(有料) |
信貴山 朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)
三体の神獣パワースポットめぐりの締めくくり「白虎」の見立ては信貴山朝護孫子寺。信貴山第一駐車場の入口近くでは「西方守護神白虎」の石碑と共に白虎の石像がお出迎え。
朝護孫子寺は信貴山真言宗の総本山で、聖徳太子が寅の年、寅の月、寅の日、寅の刻に本尊である毘沙門天を感得したとされることから「寅の寺」として知られる。境内には巨大な張り子の寅を模した「世界一福寅」の他にもたくさんの寅のモチーフがあり、参拝者の目を楽しませる。
問合せ先 | 信貴山朝護孫子寺 |
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所在地 | 奈良県生駒郡平群町信貴山2280-1 |
アクセス | 奈良交通バス信貴大橋バス停より徒歩5分 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | ー |
料金 | ー |
駐車場 | 周辺にあり(有料) |
戒壇めぐり
朝護孫子寺本堂の地下にある暗闇の回廊を壁伝いに手探りで歩く。進んだ先にある宝珠を納める錠前に触れると心願成就のご利益があるとされる。
一切光の無い暗闇の不安から解放され、光のある世界に帰って来る体験は「擬死再生」も意味し、日常の生活のありがたさを見つめなおすきっかけにもなるだろう。
問合せ先 | 信貴山朝護孫子寺 |
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所在地 | 奈良県生駒郡平群町信貴山2280-1 |
アクセス | 第1駐車場から本堂まで徒歩約12分 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | ー |
料金 | 200円 |
駐車場 | 周辺にあり(有料) |